11人いる! ★★☆☆☆

萩尾望都(はぎおもと)さんのマンガ、

『11人いる!』

を読み終えました。

 

評価は、星2つです。

 

萩尾望都さん、

いままでよくお見かけしていたのですが、

なかなか読む機会がなく、

スルーしていました。

 

そもそもお名前の読み方も知らず、

「もと」と読むんだなんて。

しかも本名だったなんて。

そして女性だったなんて。

 

本当に何も知りませんでした。

 

この人、

お生まれは1949年というこですから、

いま65歳。

 

おばあちゃんじゃん!!

 

ザ・少女マンガっていう絵のタッチも好きではなく、

いままで手に取ることがなかったわけですが、

読了後の感想もやっぱり覆りませんでした。

 

彼女の独特な世界が好きな方はたくさんいると思うのですが、

私はイマイチでした。

 

リアル世代で読んでいたら、

ちょっと違ったかもなぁ。

 

でも、この作品、

1975年~76年にかけて書かれたものらしく、

いまから約40年くらい前のマンガということを考慮すると、

すごい想像力でお描きになったんだなぁと思います。

 

▽内容

宇宙大学受験会場、最終テストは外部との接触を絶たれた宇宙船白号で53日間生きのびること。1チームは10人。だが、宇宙船には11人いた! さまざまな星系からそれぞれの文化を背負ってやってきた受験生をあいつぐトラブルが襲う。疑心暗鬼のなかでの反目と友情。11人は果たして合格できるのか? 萩尾望都のSF代表作。

 

読みはじめたときの印象は、

ちゃちいSFだな…

と思いました。

 

話の展開がよくも悪くも早すぎて、

SFのわりにはわりとザツなストーリーだなと。

 

ちょいちょい仲間同士の茶々や、

プチロマンス?みたいな駆け引きなんかもあって、

そこが乙女心?をくすぐるのかと思うのですが、

余計にグダグダになってしまうので、

私はうっとおしく感じてしまいました。

 

あと、

これは私が不慣れなせいだと思いますが、

登場人物の名前が複雑で、

宇宙用語も多くておぼえられない。

 

何系の惑星から来た○○○(カタカナ)4世だとか、

赤道直径何キロで質量がいくら、

恒星がどうだとか…。

 

「SFとしてのリアリティー」を出すには、

こういうほうがいいんだろうけれど、

私は苦手でした。

 

ストーリー展開がザツすぎるのと、

ちょっと詳しく描いているなと思いきや、

マニアックな宇宙用語が多いわー登場人物の名前も複雑だわーで、

親近感が湧かない。

SFならではのハラハラドキドキ感も薄い。

仲間同士の乳繰り合いが見ていて恥ずかしい。

 

これが私の感想です。

萩尾さん、ごめんなさい。。。

 

ストーリーとしては、

いろんな惑星からいろんな人種?が集まって、

1つ屋根の下(=宇宙船の中)で課題に取り組むのですが、

仲間同士、

それぞれ育ってきた環境も違うし、

将来の夢も別々だから、

いろいろ疑ったり反目しあったりすることもあるけれど、

最後はみんなで力を合わせて乗り越えたぜ!

ちゃんちゃん☆

…というハッピーエンドです。

 

その仲間というのが、

本当は10人のはずなのに、

なぜか11人いる。

そいつが足を引っ張ってるんじゃないか?!

だから11人目を見つけ出そう!

 

この部分がタイトルになっていて、

ミステリーチックに物語を大きく揺さぶっているんですが、

著者が本当に書きたかったのは、

先述の「友情」の部分だと思います。

 

そこに、

11人目の疑惑や、仲間同士の反目を添えることで、

「友情」はいっそう輝きを増すわけで。

ロマン輝くエステールです。

 

11人目なんて、

たいして別にどうでもよかったんだと思います。

 

実際、

なんだコイツかよ?!しかもそんな理由で??

っていうオチでしたし…。

 

話は、

ミッションコンプリート後も続きます。

 

それが「続・11人いる!」です。

 

私が読んだ文庫版には、

この続編が収録されていましたが、

こっちのほうがハラハラドキドキ感がありました。

 

その後、

それぞれの夢に向かって別々の道を歩む彼らに、

暗雲が立ち込めます。

 

かつて共にすごし共に闘った仲間たちのあいだに、

またもや亀裂が生じます。

 

しかも今度は、

政治や利権という大人の事情に巻き込まれ、

命すら落としてしまうという。

 

SFなんだけれども、

あーこうやって大人のダークな世界に汚されて、

ダメになっちゃう友情ってあるよなー

…と思いながら読んでいました。

 

続編のほうが親近感が湧いた。

 

本編・続編を問わず、

この作品では、

フロルという性別未分化の少年であり少女でもある子が、

主人公的に描かれており、

 

その男でも女でもない、

複雑なあどけなさ・勇敢さ・可愛らしさ(美しさ?)が、

この物語を引き立てているっぽいのですが、

 

どうも私はロマンスゼロのせいか、

なんだこれ?っていう感じでした。

 

フロムとダダの二人のやりとりが、

下手なボーイズラブのようにも、

安っぽい恋愛のようにも思えて、

このシーン、別にいらなくねーか?

と軽蔑してしまったり。。。

 

でもきっと、

これが肝なんだと思うのです。

 

萩尾さんの作品が好きな方は、

彼女の独特な想像力の世界もそうですが、

きっとこうした掛け合いにも、

ロマンを感じている方が多いと思うのです。

 

そういう意味では、

私は萩尾ファンじゃないなー。

 

まあでも、

いまだによく読まれているという、

伝説の少女マンガに触れることができたのは、

よい機会でした。

 

萩尾ワールドに浸ることはできませんでしたが、

トーマの心臓』と『ポーの一族』くらいは、

読んでみたいなぁと思っています。

 

■まとめ:

・ストーリー展開がザツすぎるのと、ちょっと詳しく描いているなと思いきや、マニアックな宇宙用語が多いわー登場人物の名前も複雑だわーで、親近感が湧かない。SFならではのハラハラドキドキ感も薄い。仲間同士の乳繰り合いが見ていて恥ずかしい。絵のタッチも自分には好きになれなかった。

・とはいえ、約40年も前に、この作品を描いた作者の想像力・構成力には敬服。当時読んでいたら、もう少し感想は違っていたと思う。

・タイトルの「11人いる!」の11人目は、なんだコイツかよ?!しかもそんな理由で??というオチだった。ただ、誰でもどうでも、その疑惑は大して重要ではなく、テーマである「友情」を輝かせるための、引き金でしかない。

 

■カテゴリー:

少女マンガ

 

■評価:

★★☆☆☆

 

▽ペーパー本は、こちら

11人いる! (小学館文庫)

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