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坂道のアポロン  ★★★★★

小玉ユキさん著

坂道のアポロン

を読了しました。

 

評価は、星5つです。

 

久しぶりに、

感動するマンガを読みました!

 

あまり少女マンガ?って好きじゃないんですが、

これはストーリーも絵も素晴らしかった。

 

…というか、

自分の好みに合っていた

というのが正しい表現かもしれませんが。

 

さっと読んで、

あとはブックオフにでも売り払おうかと思っていましたが、

これは手元においておこうと思います。

 

恐るべし、少女マンガ。

少女マンガをなめちゃいけねー。

 

▽内容:

1966年初夏。

高校一年生の西見薫は、父親の仕事の都合で横須賀からひとり、親戚のいる九州へ引っ越してきた。 それまで優等生で周囲に心を閉ざしがちな薫だったが、“札付きのワル”と恐れられる破天荒なクラスメイト・川渕千太郎との出会いが彼を変えていく。
千太郎を通じて知ったジャズの魅力、そして初めての「友達」と呼べる存在。
仲間と奏でる音楽がこんなにも楽しいなんて!

千太郎の幼なじみで心優しいレコード屋の娘・律子、ミステリアスな上級生・百合香、憧れの兄貴分、淳兄…。
アメリカの文化漂う海辺の街を舞台に、友情・恋心・音楽がまぶしく交錯する青春群像劇!

 

 

登場人物は、

金持ちで秀才だけど、繊細で人づきあいが苦手(だった)なボン

西見薫/CV:木村良平

 

幼い時に両親が離婚して複雑な家庭で育ち、

転校を繰り返す中で周囲と距離を置くようになってしまいますが、

千太郎や律子と出会ってかわっていきます。

 

逆に、

千太郎(セン)もボンと出会って変わっていきます。

川渕千太郎 CV:細谷佳正

 

まわりからは破天荒で「札付きのワル」と敬遠されていましたが、

実は明るくて面倒見のよい純情少年。

彼もまた出自が複雑で、

一見、幸せそうな家庭に育っているように見えても、

実はずっと「ここにいてもいいのかな…?」と思って育ってきたクチ。

 

センと幼馴染の律子(りっちゃん・りっこ)もまた、

この物語には欠かせない存在です。

迎律子(むかえりつこ) CV:南里侑香

 

優しくて明るい、純情少女。

「そばかす」のある子に悪い子はいません。

 

ずっと千太郎を想いつづけてきましたが、

ボンと出会って、

その想いはあちらこちらへと変わっていきます。

 

そして3人を結びつけるのが、

ジャズ。

 

ジャズを通じて、

彼らの友情あるいは恋愛感情は強まっていきます。

ときにその関係がダメになりそうになっても、

ジャズが彼らを元通りにさせていきます。

 

このマンガ、

アニメにもなっているようですが、

私はまだ観ていません。

観るかどうかもわかりません。

 

彼らのジャズを実際に音で聴いてみたいという好奇心と、

実際に聴いてガッカリしたら嫌なので避けたい気持ちと、

両方あるからです。

 

でも、観ちゃいそうだなぁ。

 

ジャズなんて全然興味もないのに、

このマンガを読んで、

ジャズバンドやってみたいとか、

ジャズ聴いてみたいと思った人って、

結構いるんじゃないでしょうか。

私もその一人です。

 

このマンガ、

何がいいって、

ストーリーとキャラクターが本当に良かった!

 

まず、

少女マンガにありがちの、

キャピキャピ感とかラブラブ感はうすくて、

つまり、うざったくありません。

 

また、

テーマが恋愛だけではないのもよかった。

どちらかというと家族とか友情とか趣味とか、

そういったものがベースにありながら、

そこに恋愛が絡まってくる青春ストーリー。

 

私は吉田秋生さんとかが好きなんですが、

彼女の場合も、

内容が恋愛一辺倒ではないし、

感情表現も女の子チックではないところが好きで、

 

そういう意味では、

小玉さんもまた、

どちらかというと「中性的」で、

自分の好みに合っていると思います。

 

中性派の方には、

是非おススメしたいマンガです。

 

そして何より、

登場人物のキャラクターがよかった。

普段めったにキュンキュンしない私が、

純情さや不器用さにキュンキュンしました。

 

60年代(安保時代)っていうところも

ナイスな時代設定だったと思います。

 

今のように、

メールはないし、

ポップスじゃなくてジャズだし、

水着もビキニじゃなくてツナギ、

贈り物は手編みの手袋。

 

決して「今風」ではなく、

そのバンカラ」なところが、

また飾らなくていい

 

大学闘争や米国基地の問題なんかにも少し触れていて、

当時の風潮というか社会問題に対しても、

「そうだったんだ?!安保闘争

みたいな一面を垣間見ることができます。

 

私は、

このマンガで4回泣いたところがありました。

 

1回目は、

クリスマスの日に、

千太郎の家で千太郎の生い立ちを知ったボンが、

思わず涙したとき。

 

居候の親戚の家で、

ピアノを弾きながら、

クリスマスパーティーの見世物にさらされ、

 

ようやく抜け出して、

律子に会えたと思いきや、

キスしたら泣き去られ、

 

今度は、

今日が誕生日だという千太郎に出くわしたら、

センは幼い弟や妹たちと楽しそうにしている。

 

ボンは、

いき場のない淋しさと、

千太郎への嫉妬から、

 

「君みたいにあったかい家族に囲まれて

 そういうのが当たり前だと思ってる奴にはわからないだろうが…

 家の中に居場所がない人間だっているんだ」

 

と思わず毒を吐いてしまいます。

 

そんなボンをセンは家に連れて行き、

幼いころの自分のアルバムを見せながら、

自分の生い立ちをボンに語り聞かせます。

 

「ボン

 俺も家ん中に居場所のなか人間ばい

 ずっと前からな

 

「今家ん中はにぎやかで楽しかばってん

 時々考えてしまうとさ

 俺は本当にここにおってよかとやろうかって

 

それを聞いたボンは、

 

 恥ずかしい

 俺

 こいつがなんでも持ってるなんて思い込んで

 あんなことわめいたりして…

 

と自らの言動を後悔するのです。

 

ここで一度目の号泣。

 

自分もそうですが、

実は全然周りが見えていなくて、

自分ばっかり損していると思っている人たちへ。

 

これは読んだほうがいいです。

 

ボンのように、

我が身を恥じたほうがいいです。

 

2回目は、

センに急接近した松岡くんとボンが言い争いになって、

それを聞いていたセンが、

ボンをかばったとき。

 

2年生に進級し、

ボンや律子とクラスが離れてしまった千太郎は、

松岡くんからロックバンドに誘われます。

 

センは周りから敬遠されていて友達がいなかっただけに、

ボンは自分だけは特別だと思っていたわけですが、

その自信が崩れかけようとしている矢先に、

 

あの秘密の稽古場に、

松岡くんが登場するのです。

 

ボン:

「あいつが教えたのか?

 この場所のこと…」

 

松岡くん:

「だとしたら?

 いやねお手並拝見させてもらおうと思ってさ

 川渕君のドラムが僕たちのロックバンドにふさわしいかどうか」

 

ロックバンドと聞いて、

さらにボンは激高します。

 

ボン:

「おい言っておくが

 あいつはずっと前からジャズ一筋なんだ

 流行りにつられてロックなんかやるもんか」

 

松岡くん:

「どうかなぁ

 そんなの本人に聞いてみんきゃわかんないじゃないか」

 

ここで当の本人、

川渕千太郎が登場して、

こう言い放ちます。

 

「…んにゃ

 聞くまでもなか

 おいのことはそいつが一番ようわかっとる

 

「ここは部外者立入禁止だ

 ジャズを馬鹿にする奴はもってのほか

 これ以上おいたちの聖域ば汚すな

 出ていけ

 

どひゃー。

カッコよすぎるだろ、千太郎。

 

これを聞いたボンは、

 

 まずい

 泣きそうだ俺

 ”おいのことはそいつが一番ようわかっとる”

 ないだろ

 そんな不意打ち

 

と涙をこらえようとするわけです。

 

まずい、

こっちも泣きそうです。

 

ほんと、

ないだろこんな不意打ち。。。

 

3回目は、

文化祭で電気がショートし、

ロックバンドの演奏の合間を埋めるべく、

仲違いしていたボンとセンが、

”モーニン”をセッションして、

会場を沸き立たせるとき。

 

一度は松岡くんを拒否したセンですが、

松岡くんの家族の事情やら将来の夢やらを聞いて、

彼らのロックバンドに参加することを決めます。

 

ボンはそんなセンに対して、

裏切り者!勝手にしろ!

と突き放し、

二人は仲違い。

 

センはロックバンド「ザ・オリンポス」のドラマーとして、

文化祭の舞台に立つのですが、

演奏途中で電気系統にトラブルが。

 

電気が使えない間、

文化祭委員のボンは見回りに、

手持無沙汰になったセンは、

バンドメンバーの一人と世間話。

 

たまたま舞台裏を通りかかったボンは、

センとバンドメンバーの会話を立ち聞きしてしまいます。

 

丸尾くん:

「でも本当にびっくりしてるんだ

 このバンドに入ってくれたのも驚きだったし」

 

 

セン:

「…ああ

 おいも最初は断るつもりやった

 でも松岡が将来スターになりたかって…

 親兄弟ば支えるために

 自分にできることはそれくらいやけんって

 その話聞いてから考えが変わった…

 あいつに力ば貸してみとうなった

 こがん自分でもどうにかして

 家族の役に立ちたかって思う気持ちは

 おいも同じやけん…

 どうしてもじっとしとられんやった」

 

丸尾くんは、

さらにセンに対して、

よかったらこのまま続けてみないかと誘います。

 

それに対してセンはこう答えるのです。

 

「んにゃバンドは今日限りでやめる

 おいはやっぱりロックには向いとらんし

 ジャズのほうが好いとる

 …それに

 大事な相棒ば待たせとるけんな

 

どうです。

 

こんなことってあるかよ?!

高校2年だぜ?!

うそつけ頭のなかはエロスの塊だろ?!

と思いつつも、

 

ボンになりきって、

思わずジーンとなっている自分がいます。恥

 

さて、

センのそんな一言を聞いたボンはどうしたか。

 

観客が会場をあとにし始めたのを見て、

電気が復旧するまでのつなぎとして、

オリンポスを助けようと決心します。

 

自分からセンを奪った憎きオリンポスでしたが、

センの言葉を聞いて、

自分も力になろうと思えたんでしょうね。

 

はじめはボンのひとりピアノ演奏だったんですが、

ここにセンが加わり、

どんどんセッションがエスカレートしていきます。

 

そして最後は、

あの曲”モーニン”。

 

会場は拍手喝采、

二人は手を取り合って、

いつもの坂道を駆け下ります。

 

なんて気持ちのいい眺めなんだ

 

こっちもだよ!

なんて気持ちのいいシーンなんだ。

 

青春っていいなーおい!

 

4回目は、

文化祭前日に妹をバイクで事故らせ、

ものすごく自分を責めているセンを、

ボンが慰めるシーン。

 

高校最後の文化祭に、

律子と律子パパを加えた4人ユニットで参加することを決めた

ボンたち。

 

本番に向けて、

練習に明け暮れる日々でしたが、

文化祭前日、

稽古場に楽譜を忘れたボンに追いつこうと、

バイト先でバイクを借りたセン。

 

途中で妹を拾ってニケツしていたところ、

事故に遭遇してしまいます。

 

心配したボンは、

病院まで猛ダッシュ。

屋上でシーツに埋もれて横になっているセンを見つけます。

 

「なんでおいはこう

 自分のいちばん守りたかもんば

 自分で傷つけてしまうとやろうか

 …なあ教えてくれんですか

 ずっと前から聞きたかった

 おいは一体なんのために生まれてきたとですか」

 

こう言い放つセンに、

ボンはかける言葉もなく、

その場に立ちすくむばかり。

 

ただただ涙を流し、

ボンをぎゅっと抱きしめてこう言うのです。

 

「泣いていいんだセン

 よくひとりで耐えてきたな

 

もう号泣。

 

べつに自分が耐えてきたわけじゃないのに、

なんでこうも泣けるんでしょうか。

 

友情っていいなぁ。

 

ありがとう!青春!!

 

 このマンガ、

1から9巻まであるんですが、

なんとボーナストラックがありました。

 

坂道のアポロン BONUS TRACK (フラワーコミックスアルファ)

坂道のアポロン BONUS TRACK (フラワーコミックスアルファ)

 

 

内容を見ると、 

 

真の最終話がここに!感動の番外編集!!

本当のラストエピソード、薫と千太郎、そして律子のその後は…?
本編では語られなかった秘めた想い、地下室の楽器にまつわる切ない記憶、など、アポロンの深みを増す、番外編5編+かきおろしを収録!

 

とあります。

 

うーん、

これ読みたい!

 

ということで

Amazonで買いました。

 

明日届きます、楽しみだぜ!!

 

■まとめ:

・ストーリーやキャラクターが最高で、久々に感動した少女マンガ。少女マンガを舐めてはいけないなと思った。また読みたい。

・少女マンガならではのキャピキャピ感やラブラブ感が薄く、うざったくない。そして、恋愛だけではなく友情・家族・趣味・生き方などが描かれているのもよい。純情さと不器用さが交差する登場人物たちのキャラクターが、切なくてキュンキュンする。

・時代が1960年代と、”今風”ではなくバンカラなところがまた、飾らなくてよかった。この時代設定が、登場人物たちのキャラクターを後押しするかのように、際立たせていた。

 

■カテゴリー:

少女マンガ

 

■評価:

★★★★★

 

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