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がんばらない生き方 ★★★☆☆

池田清彦

がんばらない生き方

を読み終えました。

 

結果は、星3つです。

 

今回は、

・刺激的で斬新な、いつもの池田節が弱かったこと

・共感できない内容もいくつか含まれていたこと

・(52の話から成り立ちますが)たまに内容が矛盾していること

の3点から、

いつもどおりの満足感が得られませんでした。

 

▽内容:

 今の日本には、おカネをたくさん稼がなければ、「楽しい生活が手に入らない」、そう考えている人が多いようです。

   だからといって「がんばっておカネを稼ごう」とすると、今度は、仕事に関するさまざまなストレスが増え、心がどんどん苦しくなります。

 「あちらを立てれば、こちらが立たず」、「何かを得ると、何かを捨てることになる」という"トレードオフの関係"が、「おカネ稼ぎ」と「楽しい生活」の間にもあるわけです。

   本書は、こうした「息苦しい」世の中で大合唱されている「がんばる」という価値観にメスを入れ、人生を楽しく生きるための考え方を紹介するものです。

 「正義」と「がんばり」だらけの世の中は、決して住み良いものではありません。あなたの「がんばり」は本当に必要でしょうか?

  「だましだまし」、「ほどほど」、「いいかげん」、「肩肘はらず」に楽しく生きる52の提言。

 

 

共感できなかったこと、矛盾を感じたこと

 

効率ばかり追わずに「無駄」を大事にしたほうが良いといいながら、

インターネットは「時間の無駄」としている

 

ネットで得られる情報を「使いもしないノウハウ」と決めつけているのが、

まず、共感できませんでした。

あながち、ネットのなかでも使える情報、実用的なものもありますし。

そのうえで、著者が言うような「無駄」があってもいいんじゃないかと思うわけです。

ネットに依存しすぎるのは良くないと思いますが、

だからといってネットを完全否定するのも、どうかなと思いました。

 

 

子供に携帯を持たせるのは「贅沢」だとして、

子供には贅沢はさせないほうがよいと提言しながらも、

携帯を持っていないことでイジメにあうくらいなら、

持たせてしまったほうが良いと言っている

 

携帯は贅沢のあくまで一例で、

イジメのほうが面倒くさいから、それなら持たせてしまったほうがよい、

というご意見になったのかと思いますが、

池田先生にしては文章が適当すぎるというか。笑

ここは、おいおい矛盾してるよ!と突っ込みたくなりました。

 

ITは日々の暮らしを快適にしている一方で、

事務手続きの負荷を確実に増やしている。

だから、IT社会は面倒だらけだ!

 

この事務手続きのところが、私にはよくわかりませんでした。

そんなに多いか、事務手続き?

Amazonのワンクリック購入は、消費者の事務手続きを大幅に減らした気がしますし、

いちいち電話やfaxでやりとりしていた書類がメールですぐに送れる。

「確実に」負荷を増やしているとは言えないんじゃないかと思うわけです。

 

逆に、共感できたこと、いい考えだなと思ったこと

 

徹底的に刺激を求めたり、完璧を求めたりせず、

何事も「いい加減」でやめておく。

「微妙な変化」を楽しみ、刺激を追い求めなければ、

「もっともっと」とならなくなる。

 

これは、完璧志向が強い自分に、

本当に百回でも千回でも言い聞かせたい言葉。

ハングリー精神って本当にいいんだっけ?と思っちゃいます。

一番いいのは、ハングリー精神があるように見せかけておいて、

ほどほどにこなすことかもしれません。

 

子供を持つことに意味や目的を求めるというのは、

親が子供を自分の”所有物”にしたいということと同じ。

「あなたのためを思ってやっている」と称して叱咤激励するのは、

実は自分の「願望」が叶いそうにないことへの苛立ちが隠れている。

親が子供にゴチャゴチャ言う本当の理由は、

「耐えるつらさから自分を解放したいから」。

 

これは親子関係だけではなく、上司部下の関係も然りだと思います。

マネージャーになりたい人の多くは、

偉くなりたい、部下を持ちたい、現場から離れたい

と思っている人がほとんどだと思うのですが、

絶対に「あたなたのためを思ってやっている」

という怒り方だけはしてはいけないなと思いました。

ウソつけバカヤロー、余計なお世話だよ、

って、間違いなくなりますねぇ。

 

「仕事を通じた自己表現」を万人に求める風潮が続く限り、

大多数の日本人は幸せになれない。

これは偽りの価値観で強迫しており、

自己実現できない仕事を選ぶのは格好悪い」

と言っていることと同じ。

仕事なんて単なるお金儲けの手段でしかなくてもちっとも構わない。

 

大いに賛成です。

だから日本の就活は気持ち悪い。

志望理由が、

第一義的にはお金儲けの手段で、

副次的には自分が少しでも役に立てそうなこと・興味をもったことだったから、

で何が悪い?と思うわけです。

 

自己実現できるかどうかは正直やってみなければわからないし、

「自分がない」と思う一方で、

やるからには楽しんでやりたい、スキルを伸ばしたい、

だからできるだけそうなりたいと思っている一人だから頑張ります、

それで何が悪い?と思います。

給料がいいから選びました、

これだっていいと思うんです。

 

人間は菩薩のようにも鬼畜のようにもなれるが、

凡人はこの二つの状態をいずれも長く続けることはできない。

時には鬼畜のように、時には菩薩のようになってバランスを取っていい。

 

これは介護にあたって、介護する側がされる側に、

「うっせークソばばあ!」とたまには怒鳴ったっていいじゃない、

という話のなかで、

その怒鳴ってもいい理由を説明したものですが、

ヘタに絞め殺すよりもよっぽどいい。

怒るのも悲しむのも疲れるから、

極力アップダウンしないほうがいいに決まっているけれど、

たまにはガス抜きも必要なわけで。

 

(仕事は特に)世の中、結果が全て。

プロセスや意気込み・動機なんて本当はどうでも良い。

 

これは一見シビアな見方で、

「がんばらない生き方」と相反するように思えるんですが、

そんな生きにくい今だからこそ、

変にやる気なんか出さず、肩肘はらず、ほどほどにやって、

世の中の常識に惑わされず、たまにはガス抜きもすればいい、

というのが本質なのかと思います。

 

結局、いまの世の中で良いとされるのは、

やる気もあって(あるように見えて)結果も出せる人

協調性が高くて自分もしっかり持っている人

自分を大事にしつつ他人への思いやりも持っている人

夢を追い続けながらも現実での折り合いをつけられる人

という、

二律背反する要素を持ち備えているのが「良い」とされているわけです。

本当はこれは矛盾しているのに、どっちか一方に偏ってもダメ。

つまり、「バランス」が大事というわけです。

 

だから、

本当はそんなこと思っていないんだけど、

適当に(無理のない範囲で)相手に合わせるとか、

自分はAという状態が満足だと思っているんだけど、

実は、Bという状態でもそれなりに満足だと思えるように自分の物差しを変えるとか、

結局まわりを変えるか、自分をかえるかしかないわけで。

 

頭ではわかっているけれど、

そういう柔軟な対応をリアルに行動にしていけば、

もっと「がんばらない」で、

もっと「適当に」生きていけるんじゃないか?

という話なのかなと思いました。

 

■まとめ:

・共感できる内容も多かったが、逆に共感できない内容・矛盾しているなと思う内容もあった。

・自分がないとダメだと言いながら、他人への協調性を求めたり、この世の中は矛盾だらけ。だからこそ、自分の考え方や行動も「ほどほど」「適当」でとどめておいたほうがよい。バランスをとるとはそういうこと。

・他人に対しても、時に鬼畜に時に菩薩になってバランスを取ればいい。大事なのは、いかなるときも「逃げ道」を用意しておくこと。

 

■カテゴリ:

自己啓発

 

■評価:

★★★☆☆

 

▽ペーパー本は、こちら 

がんばらない生き方 (中経の文庫)

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がんばらない生き方 (中経出版)

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